論文出版
2018年度に金沢大学GSC(グローバルサイエンスキャンパス)の第2ステージで平松研にてスロー地震に関する研究を行なった河野さんの成果をまとめた論文が Earth Planets Space 誌から電子出版されました。
Kono, Y., Nakamoto, K. & Hiramatsu, Y. Temporal variation in seismic moment release rate of slow slips inferred from deep low-frequency tremors in the Nankai subduction zone. Earth Planets Space 72:12 (2020). https://doi.org/10.1186/s40623-020-1142-3
地震計で記録されたデータの解析結果に基づき、南海トラフの沈み込み帯のETS領域(巨大地震の震源域の深部延長で短期的スロースリップイベントと深部低周波微動が同期して発生する領域)のスロースリップによる地震モーメント解放率の時間変化を推定しています。
南海トラフのETS領域のスロー地震活動に対して2011年東北地方太平洋地震の影響はなかったことや紀伊南部および中部では長期的な地震モーメント解放率の減少が見られたことが報告されています。
また、長期的な地震モーメント解放率の減少の原因として、プレート境界面の摩擦状態が変化した可能性を論じています。
大学院生の中本君のサポートがなければできなかった研究です。